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司法試験合格後、すでに進路を固めている方もいる一方で、 「これから本格的に探したい」「自分に合う事務所をじっくり見極めたい」という方も少なくありません。 このイベントは、修習前に自分の進路を広げるきっかけとなる特別な合同説明会です。 一度に7~10の法律事務所と直接話しながら、リアルな情報を効率的に得ることができます。 修習中の就活も見据えながら、今のうちに情報の軸を持っておくことで、今後の選択肢が大きく広がります。

ロー生・ロー入学予定者が“ロー生のリアル”を共有する交流会。 授業と司法試験対策の両立、在学中合格の水準、過去問の回し方・復習法、他大ローの学習状況、1年目の忙しさ(就活ES・説明会など)── SNSでは拾えない本音ベースの情報を、一晩で交換できる場です。

〜在学生も合格者も。“福岡で弁護士として働く”をリアルに知る日〜
法律・キャリア情報ブログ
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法律事務所の採用はいつ動くのか|志望先別に見る就活の年間スケジュール(2025年度モデル)
こんにちは。 カケコム弁護士採用の事業責任者をしております、一ノ瀬と申します。 弁護士採用の解像度を上げるため、私は現在、毎週 2〜10 名ほどのロースクール生と面談を行っています。 全国の学生と話す中で、「今の就活市場がどう動いているのか?」という輪郭が少しずつ立体的に見えてきました。 さらに、2023年からロースクール在学中に司法試験を受験できるようになった制度変更も採用市場に大きな影響を与えており、特に企業法務を中心に、これまで以上に“前倒し化”が進んでいる印象です。 LS2年とLS3年の境目が曖昧になり、早期選考の比重が従来より高まっています。 なお、本記事で記載しているスケジュール(月の表記)は、わかりやすさのため「2025年度モデル」をベースに記載しています。 今回は、その中でも問い合わせの多い 志望先別の就活スケジュール を整理してお伝えします。 なお、本記事で扱う数字は、 司法試験合格者をおおむね1500名前後としたときの“ボリューム感”を示す目安値 です。 またここでまとめている内容は、いわゆる統計データではなく、私が現場で学生や事務所とお話しする中で見えてきた リアルな空気感 に基づいています。 主観が混ざる部分や、数字が厳密でないところもあるかと思いますが、その点はご理解いただけると嬉しいです。 ■ ロースクールの学年表記について 実はロースクールの学年呼称は、全国で異なります。 この記事ではわかりやすいように、学生との面談で一般的に使っている次の定義で統一します。 ・未修1年 → LS1年 ・未修2年 + 既修1年 → LS2年 ・未修3年 + 既修2年 → LS3年 以下の内容もこの表記で記載します。 ① 企業法務(前期) 【企業法務全体のおおよその規模:300〜450名程度】 企業法務の中でも最も動きが早い層です。 5大事務所をはじめ、準大手・中堅の多くがこの「前期」に分類されます。 中心となる選考は次の2つです。 ・サマークラーク(主に LS2年の8〜9月) ・ウィンター/スプリングクラーク(12〜3月)※事務所により呼称は異なる (ウィンターとスプリングを厳密に使い分ける事務所もありますが、全体的には曖昧なため本記事ではひと括りにしています。) ▼ 想定スケジュール(LS2年が主役) ・4月〜5月:サマクラ応募 ・6月〜7月:ES選考 ・8月〜9月:サマクラ実施 ・9月〜10月:早期内定 ・11月〜1月:追加枠が少し動く 企業法務の前期は LS2年が主役のマーケット です。 ▼ LS3年向けサマクラは「枠が少ない」 ・存在はするが数が少ない ・採用枠の大半は LS2年夏で固まる ・LS3年向けは“追加募集”の性質が強い また、サマークラークの動きはロースクールの所在地によっても大きく異なるケースがあります。 この地域差については、別途【地域別採用スケジュール】としてまとめた記事を公開する予定ですので、楽しみにしておいてください。 ② 企業法務(後期) 【企業法務全体(300〜450名)の“残りの枠”として動く領域】 企業法務の世界は「前期(サマー〜スプリング)」が主流です。 ただし、 ・中堅〜準大手の一部 ・司法試験後から本格稼働する企業法務系事務所 といった“後期型で動くゾーン”も確実に存在します。 ▼ 想定スケジュール(LS3年中心) ・7月:司法試験終了 ・8月〜翌2月:説明会・見学会・個別面談 ・11〜翌3月:内定のピーク 「前期に乗り切れなかった企業法務志望層」が流れてくる領域でもあります。 ③ 一般民事・刑事(前期) 【一般民事・刑事全体のおおよその規模:300〜450名程度】 一般民事の中で最も“標準的”な採用時期です。 流れとしては企業法務後期と近いものの、 市場構造も志望者層も異なるため 「一般民事のスタンダード」として捉えるのが正確です。 ▼ 想定スケジュール(一般民事の前期型) 8月〜翌2月:説明会・見学会・選考 11月〜翌3月:内定が出やすい時期 なお、求人や説明会の募集は、司法試験後に動き出す層と、合格発表後に一気に増える層の二つに分かれる傾向があります。 ④ 一般民事・刑事(後期) 【一般民事・刑事全体(300〜450名)の中でも“実務重視型”に該当する層】 一般民事の中には、 早期に一括で囲い込む形ではなく、 実務での関わり方・相性 を重視する事務所が一定数あります。 こうした事務所では、“後期採用”という制度的なものではなく、修習中の自然な接点から採用につながる ケースが多いのが特徴です。 ▼ この領域の動き方 ・修習前(12〜3月):前期で埋まらなかった枠が細く残ることがある ・修習中:現場での働きぶりや人柄から声がかかるケースが一定数存在 一般民事の中でも “時間軸が後ろ寄りになる自然な構造” を持ちます。 ⑤ インハウス 【年次差が大きく、規模の推定は困難だが年々増加傾向】 ・通年募集 ・企業予算で急増・急減 ・合格後の秋〜冬に増える年もある ・新卒枠/即戦力枠が混在 「典型スケジュール」が存在しない領域です。 ⑥ 予備試験ルート 【おおよそ 200〜250名程度(企業法務・一般民事へ分散)】 予備試験組は、論文合格発表を起点に一斉に動き出す のが最大の特徴です。 予備試験の正確なスケジュール(2025年度モデル)は以下のとおりです: ・5月:短答試験 ・7月:短答合格発表 ・9月:論文試験 ・12月:論文合格発表 ・翌1月:口述試験 ・翌2月:最終合格発表 そして、口述試験の合格率は 毎年97〜99%(直近98.7%) と極めて高いため、「論文に受かれば、ほぼ最終合格」 と言われています。 そのため、予備組の就活は 12月の論文発表後から一気に加速 します。 ▼ 予備組に多い2つの動き方 ① ウィンタークラークに参加するパターン (論文発表後〜1〜3月の短期クラークに応募) ② 説明会 → 面談 → そのまま選考に進むパターン (12〜2月は面談〜選考が一気に増える) ■ 残りの合格者がどこに進むのかについて 司法試験合格者(例年おおむね1500名前後)のうち、企業法務・一般民事・予備試験組として法律事務所に進む層以外にも、一定数が 別のキャリアパス を選択します。 具体的には、 ・裁判官(任官) ・検察官(任検) ・官公庁・裁判所(裁判所調査官など) ・大学院進学・留学といったさらなる学習継続 ・その他の法律関連職・企業勤務 といった多様な進路が含まれており、全合格者の進路は法律事務所だけではなく、複数の選択肢に分散している という構造が前提にあります。 🔍 全体まとめ(79期・80期の就活市場) ・企業法務(前期+後期):全体で おおよそ300〜450名規模 ※前期(LS2年夏)が主戦場。後期は司法試験後〜春にかけて動く層。 ・一般民事・刑事(前期+後期):全体で おおよそ300〜450名規模 ※前期が主流で、後期は修習中の実務から採用につながるケースが多い。 ・予備試験ルート:200〜250名程度 が企業法務・一般民事のいずれかへ分散 ※論文発表(12月)を起点に一斉に動くのが特徴。 ・インハウス・官公庁・任官任検など:法律事務所以外へ進む層も一定数存在 ※全体としては、司法試験合格者1500名前後が上記の複数の進路へ分散する構造。 ■ 最後に:変化の早い就活市場で大切にしたいこと 法律事務所の採用動向は、制度改正や在学受験の解禁、事務所ごとの方針変更など、年々変化の幅が大きくなっています。 学生から見ても、事務所側から見ても「何が標準なのか」が掴みにくく、正しい情報にアクセスすること自体が簡単ではありません。 私たちは、こうした移り変わりの激しい状況の中でも、できるだけ現場の事実に即した情報を整理し、偏りのない形でシェアすることを心がけています。 完璧なデータを提示することは難しい領域ですが、「今、実際に採用の現場で何が起きているのか」をできるだけリアルにお伝えする──その姿勢だけは変えずに続けていきたいと思っています。 引き続き、状況のアップデートがあり次第、随時共有していきます。
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【イベントレポート】 名古屋大学、南山大学ロースクール交流イベント
― 法律事務所と学生が直接つながるキャリアイベント ― 2025年11月8日、名古屋市内にて「名古屋大学・南山大学ロースクール生との事務所交流イベント」を開催しました。就職説明会よりも一歩深い、弁護士の“働く姿と人柄”に出会える場として企画された本イベントには、応募者45名・当日参加32名の学生が集まり、計8つの法律事務所の先生方と活発な対話が行われました。 学生たちはリクルートスーツではなく私服で参加でき、空気は終始フラットでカジュアル。それでいて真剣な質問や将来についての相談が、自然に交わされていく空間が生まれました。 ◾️開催概要 ■ 日時 2025年11月8日(土)18:00〜21:30 ■ 会場 〒450-0003 名古屋市中村区名駅南1丁目19-27 オルバースビルディング名古屋 ■ 対象 名古屋大学法科大学院生・南山大学法科大学院生(学年不問) ■ 学生参加費 無料 ■ 服装 私服 ■ 参加法律事務所 ・弁護士法人えそら ・PSF法律事務所 ・ベリーベスト法律事務所 ・弁護士法人 心 ・弁護士法人アーヴェル ・弁護士法人名城法律事務所(サテライトオフィス) ・弁護士法人B&P法律事務所 ・永原法律事務所 ◾️イベント趣旨 本イベントは、名古屋エリアのロースクール生と法律事務所が一堂に会し、カジュアルな雰囲気の中で直接交流できる場として実施されました。就職説明会のような堅い形式ではなく、お寿司やケータリングを囲みながら弁護士とざっくばらんに話せる設計としたことで、学生が気軽に質問しやすい空気が生まれました。 事務所の特徴や取り扱い分野、働き方、キャリアパスはもちろん、弁護士の人柄や日々の業務の様子にも触れることができ、ロースクール生にとって働く姿を具体的に描くきっかけとなりました。 ◾️タイムテーブル 17:40 開場 18:00 就活ショートセミナー(就活基礎・名刺交換など) 18:30 オープニング・乾杯(株式会社カケコム) 18:40 事務所ピッチ/各事務所説明 19:00 事務所交流 21:20 クロージング 21:30 解散 ◾️当日の様子 学生はまず3階の会場に集合し、就活基礎や名刺交換のポイントについてのショートセミナーを受講しました。 名刺交換の所作・話し方・目線や姿勢など、翌年以降の採用活動でも役立つ実践的な内容が共有され、学生は真剣にメモを取りながら参加していました。 その後4階に移動し、寿司や軽食、ソフトドリンク・希望者はお酒を楽しみながら、弁護士と直接対話する懇親会形式の交流がスタート。 覚えたばかりの名刺交換をすぐに実践しながら、学生が先生へ積極的に話しかける姿が印象的でした。 そこは“一気に空気が変わる場所”でした。 先生も学生もグラスを片手に、真剣な話もしながら笑顔もある。 ブースを回って質問する学生もいれば、先生の周りに自然に人が集まり雑談が生まれる様子も。 “人と話した記憶”として学生の中に残った時間でした。 緊張しやすい就活場面とは異なるリラックスした空気の中で、弁護士の人柄や働き方を深く知る機会となりました。 ◾️ポイント 🍣 食事・軽飲料・希望者はお酒を楽しみながら話せる 👩⚖️ 法律事務所の人柄・雰囲気を横断してリアルに比較できる 💬 リラックスした環境で本音で質問できる 🌱 キャリアの第一歩につながる“距離感の近い出会い” 🪪 学生全員に名刺100枚+名刺入れを無料配布 受付で自身の名刺を受け取った学生は 「社会人の一歩目を踏み出す感覚」 となったという声もあり、 名刺交換がコミュニケーションの起点になっていました。 ↓名刺のイメージ ◾️学生の声 ◾️法律事務所の声 ◾️今後の展開 今回の名古屋開催で得られた確かな手応えをもとに、カケコムは今後、北海道・関西・九州など、各地域での交流機会を順次拡大していきます。 「働く環境を知りたい学生」 「未来の仲間を探したい法律事務所」 両者にとって価値ある出会いを提供し続けてまいります。 「私のエリアでも是非開催してほしい」と思う方がいらっしゃればお気軽にお問い合わせよりご連絡ください。 ◾️さいごに カケコムでは、今回のようなイベント情報や就活に役立つ情報を アプリでも受け取ることができます。 イベント告知・参加申込・履歴管理など “ロースクール生のキャリアに寄り添うアプリ”として提供しています。 ▼ダウンロードはこちら https://lawyer-recruits.kakekomu.com/mobile-app ◾️お問い合わせ カケコム弁護士採用事業部 E-mail:lawyers_recruit@kakekomu.com
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2025年 司法試験合格発表後 直近の説明会一覧(カケコム弁護士採用内)
本記事の対象 2025年度司法試験合格者の方 各事務所の説明会一覧 ※2025年11月12日時点の情報です。 🎓【79期司法試験を受験された皆さまへ】 長い受験生活、本当にお疲れさまでした。 そして合格された皆さま、心よりおめでとうございます。 📢司法試験受験者・合格者向けに「法律事務所説明会一覧」を作成しました。 今後のキャリアを考える一助にぜひご覧ください。 PSF法律事務所 ・勤務地:愛知県 ・形式:対面又はWEB ・開催日時:参加希望者ごとに日程調整のうえ随時開催 ・エントリー期間:希望者から随時 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 ・勤務地:北海道、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県 ・形式:Zoomによるオンライン開催 ・開催日時:参加希望者ごとに日程調整のうえ随時開催 ・エントリー期間 司法試験受験後から随時 弁護士法人オリオン法律事務所 ・勤務地:池袋、横浜、川崎︎ ・説明会日程: ① 2025年11月15日(土) 15時/オンライン(Zoom) ② 2025年11月20日(木) 19時30分/横浜事務所 ③ 2025年11月22日(土) 15時/オンライン(Zoom) など 横浜合同法律事務所 ・勤務地:神奈川県 ・形式:参加希望者ごとに随時開催 ・開催日時:参加希望者ごとに随時開催 ・説明会応募期間:参加希望者ごとに随時開催 弁護士法人浅野総合法律事務所 ・勤務地:東京都 ・形式:参加希望者ごとに随時開催 ・開催日時:参加希望者ごとに随時開催 ・説明会応募期間:参加希望者ごとに随時開催 ベリーベスト法律事務所 ・募集対象:79期 司法修習予定者(司法試験受験者・合格者) ・形式:【所内事務所説明会】 【オンライン説明会】 ・開催地:【所内事務所説明会】 全国74オフィス ・開催日時: ■東京オフィス ・11月29日(土)16:30~17:30 ・12月23日(火)17:00~18:00 ■大阪オフィス ・11月20日(木)17:00~18:00 ・12月18日(木)17:00~18:00 ■札幌オフィス ・12月16日(火)17:00~18:00 など 求人一覧 説明会の実施がない求人も掲載しております。 下記より参照してください。 一般民事・刑事事務所の求人一覧: https://lawyer-recruits.kakekomu.com/law-firms/civil/job-postings 企業法務事務所の求人一覧: https://lawyer-recruits.kakekomu.com/law-firms/corporate/job-postings 合同説明会 カケコム主催の東京開催、合同説明会もございます。 参照ください。 79期司法試験合格者向け 合同説明会 日程:12月13日(土) 会場:五反田 参加事務所数:7~10事務所 形式:ブース形式(自由回遊)
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【事務所インタビュー】 弁護士法人浅野総合法律事務所
浅野総合法律事務所の事務所詳細:https://lawyer-recruits.kakekomu.com/law-firms/civil/7f1314ce-e2e7-4ba2-8ac4-6c72b54a9268 浅野 英之(Hideyuki Asano) 弁護士法人浅野総合法律事務所 代表弁護士 東京大学法学部卒業 石嵜・山中総合法律事務所入所を経て、浅野総合法律事務所を設立。 私は、法律問題の本質は「人」にあると考えています。学生の頃から人と対話することが好きで、弁護士という職業を選びました。法律相談では依頼者との対話、裁判では裁判官の説得、交渉では相手方との駆け引き──。弁護士の仕事は、すべて人との関係性の中で成り立っています。 弁護士として心がけているのは、「合理的な思考」と「誠実なコミュニケーション」の両立です。依頼者の不安や感情を丁寧に受け止めつつ、冷静に事実と法を整理し、 メリット・デメリットを明確に示したうえで、納得感のある解決に導くことを大切にしています。ときには耳の痛い助言を差し上げることもありますが、それは依頼者の将来の利益を見据えた誠実な提案であると考えています。 専門分野は労働問題であり、労働者側・使用者側の双方の案件を多く手がけてきました。労使のどちらに立つかを問わず、法的課題を冷静に分析し、最も合理的な解決を導くことを信条としています。 事務所設立の原点は、「信頼してくださるすべての方の問題を解決したい」という想いです。依頼者一人ひとりの背景に向き合い、どのような問題でも安心して相談できる「真の総合法律事務所」を目指しています。 合理性と誠実さを軸に、依頼者にとって最も納得できる解決を提供すること——それが、私が弁護士として大切にしている使命です。 ◼︎浅野総合の特徴、働き方 浅野先生: --- 「合理的な解決を、誠実に導く」――浅野総合法律事務所の理念 浅野総合法律事務所は、「合理的な解決を、誠実に導く」ことを重視します。依頼者一人ひとりの事情に寄り添い、最も納得のいく解決を目指す法律事務所です。 弁護士という仕事は、法的知識だけではなく、人との関わりの中でこそ力を発揮します。依頼者の話を丁寧に聞き、その不安や感情を受け止めながら、最善の方針を導くには、冷静な思考と誠実な姿勢が欠かせません。当事務所では、そうした弁護士としての人間力を何より大切にしています。 当事務所の大きな特徴は、「多様な専門性を持つ弁護士が集まるチーム制」にあります。労働問題を中心に、企業法務、離婚、相続、交通事故、刑事事件、医療、債務整理など、幅広い分野を取り扱っています。各弁護士が自分の興味や関心をもとに専門性を深め、それをチーム全体で共有することで、依頼者に最適なリーガルサービスを提供できる体制を築いています。また、分野にとらわれず、どのような案件にも対応できる「真の総合法律事務所」を目指しており、依頼者が安心して相談できる「最初の窓口」でありたいと考えています。 当事務所では、「責任を持って考え、自由に行動する」ことを重視しています。若手弁護士にも早い段階から案件を任せ、実際の相談・交渉・裁判の現場で経験を積む機会を多く与えています。もちろん、先輩弁護士のフォロー体制も整っており、質問や相談がしやすい環境です。実践を通じて、考え抜き、決断し、依頼者の信頼に応える力を身につけてほしいと考えています。また、合理性を尊ぶ風土が根付いており、働き方も効率的です。案件管理や情報共有の仕組みを整備し、無駄な作業を減らすことで、依頼者対応や専門分野の研鑽に時間を使えるようにしています。個々のワークスタイルも尊重し、長期的にキャリアを築ける職場づくりを目指しています。 私たちは、「こうすべき」という型にはめることはしません。大切なのは、誠実に依頼者と向き合い、自ら考え、合理的な解決を導く力を磨くことです。法律の世界は広く、正解が一つではありません。だからこそ、チームで意見を交わし、視点を共有し、より良い答えを探していく。そんな風土の中で、一人ひとりが自分らしい成長を遂げられる事務所でありたいと思っています。 依頼者に信頼され、社会に貢献できる弁護士を目指す方と、ぜひ一緒に仕事がしたいと願っています。 ◼︎就活生へメッセージ --- 「誠実さと合理性を武器に、信頼される弁護士へ」 弁護士の仕事は、単に法律を知っているだけでは務まりません。人の悩みを理解し、最も合理的で納得できる解決を導くために、法律の背後にある「人間」を見つめる力が求められます。 私はこれまで、労働問題を中心に、依頼者の人生に深く関わる多くの案件に携わってきました。その経験の中で強く感じるのは、「正しい答え」を示すことよりも、依頼者が納得して前に進める答えを一緒に見つけることの大切さです。合理的な判断力と誠実なコミュニケーション、その両方が備わって初めて、依頼者に信頼される弁護士になれるのだと思います。 浅野総合法律事務所では、若手のうちから実践の場に立ち、責任ある仕事に挑戦することができます。先輩が一方的に教えるのではなく、議論し、考え、共に成長していく文化があります。一人ひとりが自分の関心を伸ばし、専門性を磨きながら、チームとして依頼者を支える。それが私たちの働き方です。 「誠実に人と向き合い、合理的に課題を解く」——この理念に共感し、自ら考え、責任をもって行動できる方と、ぜひ一緒に仕事がしたいと思っています。法律を通じて人を支える喜びを、共に感じられる日を楽しみにしています。 浅野総合法律事務所の事務所詳細:https://lawyer-recruits.kakekomu.com/law-firms/civil/7f1314ce-e2e7-4ba2-8ac4-6c72b54a9268
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【事務所インタビュー】 潮見坂綜合法律事務所 / フラットな組織で、 弁護士一人ひとりが輝ける事務所へ
潮見坂綜合法律事務所の詳細ページはこちら 阿南 剛(Go Anan) 潮見坂綜合法律事務所、パートナー弁護士。 1995年 修道高等学校卒業 1997年 司法試験合格 1999年 東京大学法学部卒業 2001年 弁護士登録 森綜合法律事務所(現:森・濱田松本法律事務所外国法共同事業)入所 2007年4月 末吉綜合法律事務所(現:潮見坂綜合法律事務所)開設 ◼︎潮見坂の特徴、働き方 阿南先生(パートナー弁護士): --- 年次に関係なく、誰もが対等に意見を言える組織・創業を決意 潮見坂綜合法律事務所は、いわゆる「ボス弁」が存在しない、非常にフラットな組織です。年次が上だから偉い、下だから控えめにという空気はなく、弁護士同士が常に対等な関係で業務にあたっています。 事務所の運営においても同様で、意思決定の場ではアソシエイトも含め、全員が同じ「1票」を持ちます。年次に関係なく、意見を述べ、議論を尽くして物事を決めていく。こうした「合議」を大切にする文化が、潮見坂の大きな特徴だと思います。 --- 若手が提案し、皆で精度を高めていく実務における合議のスタイル 実務においても「合議」の姿勢は徹底されています。たとえば、若手が事件の方針を立案した際、それに対して他のメンバーがあえて違う立場から質問を投げかけることで、主張や論点の精度を高めていきます。 これは批判するためではなく、案件の勝率や交渉力を高めるために必要なプロセス。そうした議論の場で、自分の考えを言葉にして伝える力は自然と鍛えられていきます。 会議以外でも、日々の業務で「ちょっといいですか?」と気軽に声をかけられる雰囲気があり、相談や雑談も含めたやりとりが活発です。こうした日常のコミュニケーションが弁護士の成長を支えていると感じます。 --- キャリアの方向性は弁護士自身が決める 潮見坂では、「事務所として今後はこの分野を推進する」といった一方的な方向付けはありません。あくまで、弁護士一人ひとりが自分の関心に基づいて、注力分野を定めて進んでいくスタイルです。 自身のキャリアに関しては年に二回、キャリアや弁護士人生の歩み方などを相談できるアソシエイト面談を行っており、そこでパートナー弁護士と相談しながらキャリアを築いて行くことが可能です。 企業法務に関しては、金融、知財、会社法、M&Aなど幅広い領域の案件を扱っていますし、訴訟や紛争案件もコンスタントに機会があります。依頼者も大手上場企業からベンチャー企業、個人の方まで多様で、それぞれが自分の関心や強みを活かせる環境です。 --- 個人事件の受任は自由。責任を持って完結する経験が若手の力になる 個人事件の受任は完全に自由で、報酬も全額自分のものになります。委任契約を自分の名前で結び、責任を持って最後まで案件をやり切るという経験は、特に若手弁護士にとって非常に貴重です。 もちろん、個人事件であっても相談は大歓迎です。誰もが自分の責任で動きつつ、必要なときにはしっかり支え合う。それが潮見坂の良さです。 ◼︎現在の業務、潮見坂の働き方 峯先生(アソシエイト弁護士): --- 自分の判断で動く楽しさと責任を感じられる環境 私は現在、訴訟・紛争、M&A、人事労務の分野をメインに担当しています。扱う案件の規模や顧客層も様々で、訴額でいえば数百万円から数十億円規模のものまでありますし、顧客についていえば大企業から個人まで、幅広い案件に対応しています。 複雑な紛争案件で、自分たちの戦略が奏功してクライアントにとって有利な結果を勝ち取れたときの達成感はひとしおです。仕事の責任と手応えを実感する瞬間ですね。 --- フォローがある中で、独り立ちを経験するバランスが助かった 入所前は、潮見坂の「フラットで対等な組織」という言葉を見て、「いきなりベテラン弁護士と同等の意見や発案を求められるのでは」と少し不安もありました。でも、実際はそうではありませんでした。 入所直後は、各分野を専門とする弁護士によるレクチャーや、パートナーの丁寧なフィードバックがあり、しっかりと基礎を固めることができました。そのうえで、徐々に一人前の弁護士として意見や発案を求められるようになっていきます。 最初から放任するわけではなく、土台を整えたうえで成長のチャンスを与えてくれる。そのバランスがとても良かったと感じています。 ◼︎入所の経緯 峯先生: --- 潮見坂の理念が、自分の軸と一致した 私は就職活動の際、「できるだけ早く、個人事業主として自立できる環境」で働きたいと考えていました。自分で受任して、自分の責任で案件を進める。その経験を早期に積める場所を探していたんです。 潮見坂が打ち出している「一人ひとりが対等」という理念は、まさにその考え方と一致していました。上下関係ではなく、弁護士としてどう向き合うかを重視する文化。それが入所の決め手になりました。 実際に働き始めてみると、パートナーもアソシエイトも、本当にフラットに議論していて、いい意味で驚きました。 その議論の土俵に上がるまではしっかりとサポートして頂き、土俵に上がった後はフラットに議論を進める、そんな感じで自分もスムーズに合議に入っていくことが出来ました。 ◼︎就活生へのメッセージ 阿南先生: --- 言葉にする力、自主性、責任感 潮見坂で一緒に働く仲間には、「言葉にする力に貪欲であること」「自主性があること」「責任感があること」を求められると考えています。 弁護士の仕事は極めて個性が出る、クリエイティブな仕事です。だからこそ、自分の考えを明確に伝える力が求められますし、指示を待つのではなく、自ら動く姿勢が重要です。 潮見坂には、そんな仲間と切磋琢磨し合える文化があります。ぜひ一緒に、未来の法曹界をつくっていきましょう。 峯先生: --- 主体的に考える人にこそ合う事務所 潮見坂には、「自分で考えて、自分の責任で動きたい」という方が合っていると思います。逆に言えば、指示待ちタイプの人には少し難しいかもしれません。 だからこそ就職活動をされる方には、自己分析をしっかり行ってどんな事務所なら自分の力が発揮できるのか?をしっかり考えることをお勧めします。 いろいろな事務所を見て、その中で「潮見坂の風土が自分に合いそうだ」と思っていただけたら、ぜひ一度、話を聞きに来てほしいです。 潮見坂綜合法律事務所の事務所詳細:https://lawyer-recruits.kakekomu.com/law-firms/corporate/0c9b3f3f-51da-48f3-851a-4d4e8f2d0b7e
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就活経験者が語るウィンクラ/スプクラの重要性
そもそもクラークとは? 弁護士業界における「クラーク」とは、一般企業で言うところの「インターン」を指します。 法律事務所が司法試験や予備試験の受験生を対象に、自所の弁護士の業務体験を提供したり、参加者と所属弁護士との会食を開催するイベントのことをいいます。 ウィンタークラーク及びスプリングクラーク クラークの中でも、およそ12月〜翌年3月にかけて実施されるクラークのことをウィンタークラーク(以下ウィンクラ)若しくはスプリングクラーク(以下スプクラ)と言います。 どちらの言い方を使うかは事務所によって異なりますが、どちらも同じ時期に行われるクラークを指します。 別時期のサマークラークやオータムクラークも存在します。 ウィンクラ・スプクラの対象者は、基本的に当年度の予備試験における論文式試験の合格者です。 時にはロースクール生の中で次年度の司法試験の受験予定者が対象に含まれることもあります。 就活経験者が語るウィンクラ・スプクラの重要性 クラークに参加するメリットって何なんでしょう? 普段なかなか知ることが難しい弁護士の仕事に触れることができ、弁護士業界への解像度を上げる貴重な機会です。 司法試験後におこなわれる採用選考前の説明会よりも、より詳しく所属弁護士の方々のお人柄を感じることができました。 また、参加することで、そもそも弁護士以外の検察官や裁判官を目指す方が自分には向いているのではないか?など、将来のキャリア設計の着想を得ることもできます。 これからクラークを受ける人、検討中の人に何かアドバイスはありますか? 弁護士との関係性や人脈を築けるかは自分次第です。 (内定が出ることもあるとかないとか…w) ただ、積極的にクラークに参加することで、直接的に採用に影響しなくても、自身に繋げることができると思います。 クラークの実際の流れ 例① 事務所説明 所内ツアー パートナー・アソシエイトとの座談会 海外オフィスとのオンライン座談会 模擬会議 興味分野等の弁護士との面談 執務席体験 懇親会 など 参考:アンダーソン・毛利・友常法律事務所(https://careers.amt-law.com/recruitment/lawyer/winter/) 例② ガイダンス・事務所説明・所内案内 課題アサイン ランチ(顧問の先生方やアソシエイト弁護士とのランチ) 弁護士による講話 アジアオフィスとのTV会議 課題のフィードバック 懇親会 など 参考:TMI総合法律事務所(https://careers.amt-law.com/recruitment/lawyer/winter/) 応募について まずは応募することが大切です。(応募しても必ず受かるわけではないです。) 各事務所の募集ページにアクセスして、それぞれの募集要項に従ってください。 よくある必須書類 顔写真(JPG、JPEG、PNG形式) 大学専門学部の成績証明書(PDF形式) 法科大学院における成績証明書(PDF形式) 予備試験の成績通知書(短答式、論文式、口述式)(PDF形式) 自己PR書類(いわゆるエントリーシート) 応募に受かるコツ 応募審査には、大学の成績評価GPAや予備試験合格が重視されているので、学部やロースクール、予備試験の勉強を頑張ることが基本となります。 事務所のホームページなどから求める人材像や事務所の強みなどを把握し、しっかりと事務所研究をしましょう。その上でエントリーシートを丁寧に記載することが大切です。自己PRなどの記載項目で熱意が伝わるものです。 また、定員に達し次第締め切りとなる事務所も多く、応募順の審査が行われている場合もあるので、応募は早めに行いましょう。 クラーク応募の大切さ クラークの応募に落ちても、後の個別訪問ではクラークに応募した事実がプロフィール上での意欲の参考にされ、採用に至ったケースもあると聞いたことがあります。あくまで参考意見ですが、迷ったらとにかく応募することをオススメします。 カケコム弁護士採用 新着クラーク・インターン情報 ✅ 新着クラーク・インターン情報
記事を読む弁護士キャリアインタビュー
様々な分野で活躍する弁護士の方々のキャリアストーリーをご紹介します

佐々木 一夫
事務所名未設定
“「弁護士として独立を目指す心の強さとその道のり」佐々木一夫弁護士/弁護士法人アクロピース”
はじめに 佐々木弁護士は、司法試験勉強中から「独立したい」という強い意志を持ち、早期に独立を果たされました。独立後には集客の難しさなどに直面されましたが、常に学び続けながら自らの道を切り開いてこられました。 今回は、これから弁護士を目指す就活生の皆さんに向けて、実践的なアドバイスをいただきました。 弁護士としてのキャリアについて(①独立まで) 「独立したのはかなり早い時期で、2年目に独立しました」 Q:これまでどういったキャリアを歩まれてきたか、お聞かせいただけますでしょうか。 佐々木一夫先生 私は明治大学の法学部を卒業した後、そのまま同大学のロースクールに進学しました。ロースクールを未修で卒業し、2回目の司法試験で合格して、その後弁護士になりました。 独立したのはかなり早い時期で、2年目に独立しました。 特にどこかの企業に勤めることなく、学生からそのまま弁護士になった形です。 「司法試験勉強中から『独立しよう』という強いイメージを持っていました」 Q:非常に早いタイミングでの独立かと思いますが、いつ頃から考えていらっしゃいましたか? 佐々木一夫先生 独立については、かなり早い段階から意識していて、司法試験に向けて勉強中から「いつかは独立しよう」という強いイメージを持っていました。ただ、具体的にそのタイミングがいつになるかは、自分が試験に合格した時点ではまだはっきりとは分かっていませんでした。それでも、結果的に予想以上に早いタイミングで独立することとなりました。 「独立の動機は、自分の考えで仕事を進めていくことができること」 Q:独立に対してどんな魅力を感じて、 なぜ独立したいと思われたのでしょうか? 佐々木一夫先生 先生や上司の言うことを素直に聞いて結果を出すタイプではなくて、どちらかというと「自分でやっていくんだ」という思いを強く持っていました。そのため、大手の事務所でアソシエイトとして働き、信頼を得てパートナーになるというキャリアは、私には合わないだろうなと学生時代から感じていました。そして、自分で何かしたいと強く思ったんですね。 誰かの仕事を手伝うのではなく、自分がやるんだと思っていたので、自分で事務所を持ち、自分の考えで進めていくことが最初から強い志望動機となりました。 それが、弁護士として独立したいという強い気持ちにも繋がっています。 「66期、当時は就職市場が非常に厳しい時代でした」 Q:独立を意識してキャリアを進められたということですが、最初に就職した事務所を選ばれた理由について教えてください。 佐々木一夫先生 私は司法修習66期ですが、当時は就職市場が非常に厳しい時代でした。非常に優秀な人たちが、何十件もの事務所に履歴書を送って、ようやく一社内定をもらえるかどうかという状況でした。 実際、私も司法試験合格後すぐに就職活動を始め、さまざまな事務所に応募しましたが、面接に呼んでもらえる事務所自体が非常に少ないという厳しい状況でした。 正直、その中で最初に内定をいただけた事務所というのは非常に大きかったと思います。 「就活では、自分の譲れない部分を大事にしてほしい」 Q:66期の頃と比べて、今の就職活動の環境は変わっていると思いますが、どう感じますか? 佐々木一夫先生 私たちの時代は本当に厳しい環境で、内定を一社もらえただけでも「万歳!」というような状況でした。今の方々とは少し環境が違うかもしれませんが、それでも私はどこでも良いというわけではなく、自分のやりたいことに合った事務所を選んで応募していました。 特に、自分で学びながら仕事をしたいという思いが強く、流れ作業の一部として働くような事務所は私のイメージには合わなかったので、そういった事務所には応募しませんでした。 一方で、幅広い案件に触れ、すべての仕事を自分で経験できるような事務所を選んで応募していました。 最終的には自分が事件の全体に対して責任を持って、幅広い分野で仕事をしたいというのが自分の譲れない部分だったんだと思います。 今、弁護士を目指す皆さんにも、事務所選びでは、そのような譲れない部分を大事にしてほしいと思います。 「最初の事務所に特にギャップはなかった」 Q:最初の事務所に入って弁護士として働き始めたとき、何かギャップを感じることはありましたか? 佐々木一夫先生 特にギャップはなかったと思います。入所する前から、こういう事務所だろうと想像していたので、実際に働き始めてからも特に違和感はありませんでした。 最初に指導してくれた先生には非常に感謝していますし、同僚の方々も素晴らしい方ばかりでした。事務局の方々にも特に不満はなく、給料も約束通りに支払われていました。全体的に何も不満はなかったですし、それで良かったと思っています。 ただ、私の場合は最初から独立したいという気持ちがあったので、独立を目指していました。それがいつになるか分からない中での仕事だったので、事務作業から裁判の進め方まで、幅広い分野の経験を積ませてくれていればそれでよく、あまりその他の部分でギャップを感じることがなかったのかもしれません。 「働いてみて一層独立したいという気持ちが強まり、早まった」 Q:その後独立されましたが、どういったタイミングで決断されたのか教えてください。 佐々木一夫先生 働いてみて、より一層独立したいという気持ちが強まりました。 最初から「1年以内に絶対独立する」とは思っていませんでしたし、もっときちんと準備をしてから独立するという選択肢も最初は考えていました。 しかし、実際に仕事をしていく中で、そのタイミングが早まったのは間違いないと思います。 やっぱり、独立を早めようと思ったのは、1年目に仕事をしてみて、どんなに経験を積んでも法律のことが完全に分かるわけではないと気づいたからです。「全部分かるようになってから独立しよう」なんてことはありえないと思ったのが一つでした。 みんな一生懸命勉強しながら、その都度悩んで、たくさん本を読んで事件を解決していく。その姿勢は、独立後も変わらず続いています。それを一生懸命やっていけば、弁護士を続けていけるんだと感じています。 弁護士としてのキャリアについて(②独立以降) 「気づいたのは、小さな案件を大量にこなすのが非常に大変だということ」 Q:独立後、当初の想定と実際の違いや、自分自身の変化について感じたことはありますか? 佐々木一夫先生 集客に関しては本当にいろいろ試しました。 最初は地元の税理士さんや周りの弁護士に全員挨拶に行くなど、泥臭い営業もやりました。弁護士会の箱物の相談にも積極的に出席し、国選事件もできるだけ引き受けて、お客様を集めるイメージを持っていました。それ自体は実行しましたし、ある程度事件も集めることができました。 ただ、実際にやってみて気づいたのは、小さな案件を大量にこなすのが非常に大変だということでした。 独立して4~5年くらいは本当に忙しくて、365日休みなく働き、深夜まで起案して、お客様からは休みの日でも連絡を受け、会社からも連絡がくる。そんな中で得られる報酬が少なくて、これでは自分も家族もが持たないと感じました。 最初は20万円の着手金をもらうだけで『すごい大金だ…』と思っていたんですけど、それでは弁護士業が事業としては到底成り立たないということに気がつきました。 仕事と報酬についてよく考えなければ、弁護士としてはその金額では生きていけないと感じたのが、大きなちがいだと感じました。 「人脈営業とネット集客の両方が重要だと思っている」 Q:独立当初、集客や営業で思っていた以上に大変だった部分はありましたか?また、その経験をどのように捉えていますか? 佐々木一夫先生 税理士や関係士業の方々に挨拶に行っても、正直軽くあしらわれることもが多かったんですけど、それも気にせず、「気にしない気にしない、次」とどんどん前に進んでいこうという気持ちで取り組んでいました。 実際、そのころに挨拶した士業の方から紹介が来ることはほとんどなかったんですけど、自分で一つひとつ考えて「こうすればお客さんがつくんじゃないか」と思うことを次々実行していきました。 そして、うまくいかなかったことは捨てて、良かったことだけを残すという考えで進めていきました。その過程自体を、私はとても楽しむことができて現在に至ります。 最初のうちは箱物※やドサ回りをやっていましたが、特に箱物相談にはあまり良い案件もなく、時間の無駄だと感じて、途中からネット集客に切り替えました。このネット集客も当時はまだそこまで一般的ではなかったですけど、とにかく試してみようということで登録してみました。 ★ネット集客の良かった点は、当時は人脈がなかった僕でもお客さんから相談を受けられることでした。幸い、私が独立したころは最初は、いくつかのポータルに登録すれば、仕事に困ることはないほどたくさんの相談が来ました。そのおかげで、たくさん案件を獲得し、死ぬほど働いて基礎を作ることができました。 ただ、数年たつとネット広告も飽和してきて、現在では今ネット広告単体で事務所運営はかなり厳しい状況です。 そこで、また人脈営業に戻ることになりました。 ★人脈営業もきちんとやればうまくいきます。いろんなところに出かけて、人と出会い、真剣に交流を深めることで、紹介が増えていきます。 また、昔のお客さんも貴重な紹介源で、今でも数年前の顧客から紹介をもらっており、その結果、人脈からの紹介と合わせて、現在の事務所の案件の半分以上は紹介から来ています。 ★その後、再度ネット集客の重要性に気づき、今度はお金をかけるだけでなく、SEO対策や自前のリソースをネットに投入し、ネットから特定のお客さんをしっかり引き寄せる方法を模索しています。 ここ2、3年は人脈とネットの双方に取り組んでいます。 結局、僕の考えでは、人脈営業とネット集客の両方が重要だと思っていて、その両輪を本気で回していくことが最終的な形だと思っています。 「弁護士に嘘をついて、危険なことをさせようとするクライアントが実際にいる」 Q:その他、独立前に想定していなかった苦労はありますか? 佐々木一夫先生 やばい案件に関わることがあるんですよね。 初期の頃に受任した案件で最初は気づかなかったんですけど、詐欺師のような人物の代理人をしたことがありました。 その人物からは、当初かなり切羽詰まった状況だから何とか助けてほしいと言われました。最初はその人のことを信じていたんですけど、後でその人物が詐欺に近いことをしていることに気づきました。 その後、相手側の関係者も半グレのような人だったので、その面では守ってあげなくてはならないと思って対応していましたが、半グレから脅迫状が届いたりと非常に難しい状況になりました。 私もまだ若くて、どうしていいか分からなかったので、弁護士会の民暴委員会の先生に相談しながら対応しました。 この事件から学んだことは、「やばいお客さんがいる」ということです。弁護士に嘘をついて、危険なことをさせようとするクライアントが実際にいるということを、その時初めて知りました。 もしかしたら、そういったことは最初に就職した事務所でもう少しボスから教えを請うべきだったのかもしれませんね。もしくは、ボスから教えられていたのかもしれませんが、その時は気づかなかったですね。 独立を目指す就活生に向けてのアドバイス 「超ミニマムでやっていくのが好きな人かビジネス的な視点を持っている人が独立に向いていると思う」 Q:独立に向いている方とはどのような人だとお考えですか? 佐々木一夫先生 今後は二つのタイプがあると思っています。 ★一つは、超ミニマムでやっていくのが好きな人です。 たとえば、大きな事務所にはこだわらず、自宅弁護士でも構わない、事務員を雇わなくても問題ないというように、ゆるく仕事をしたいと考えている先生は意外と独立に向いていると思います。 多くの仕事を抱えず、うまく回るようにできる人が向いているのではないかと思います。 ★もう一つは、今後は弁護士業においてマーケティングの重要性がますます増していくと思っています。ビジネスという言葉に反発があるかもしれませんが、ビジネス的な視点を持っている方であれば、きっと生き残っていけると思います。 そして、どちらのタイプにも共通していえるのは、独立するにはメンタルが強くないと難しいという点です。 私たちの仕事は非常に辛いものだと思っているので、強いメンタルがないと、やはり心が病んでしまう可能性が高いですね。独立した場合はさらにメンタルの強さを求められるので、そこに自信がある人は間違いなくが独立に向いていると思います。 「独立後にどんな仕事をしたいか特に決まってないって人は、何でもできる事務所が絶対いい」 Q:独立を目指す就活生に対して、ファーストキャリアとしてどのような事務所を選ぶべきか、アドバイスをいただけますか? 佐々木一夫先生 独立後にどんな仕事をしたいかが重要だと思います。 たとえば、一般的な町弁をやりたいのであれば、地域に根付いている町弁の先生が経営する事務所が適しているでしょう。 多様な事件を扱っているでしょうし、長く続けている事務所には適切な処理能力と弁護士としての実力があるはずです。また、地元の中小企業の顧問先との付き合い方を学べると思います。 一方で、もっと専門的な分野でやりたいのであれば、その分野に特化した事務所に入るのも一つの選択肢だと思います。 たとえば、企業法務をやりたいのであれば、町弁事務所ではなく、企業法務を専門にしている事務所に入る方が、自分の経歴を積みやすいです。 また、大手企業の法務部門にいた経験を積むことは、後々のキャリアにとっても有益です。 最終的には、自分の将来像に合わせて事務所を選ぶべきだと思います。 ただ、個人的には、パワハラな事務所は絶対避けたほうがいいなと思います。 それから、特に決まってないって人は、何でもできる事務所が絶対いいですね。いろいろ実際にやってみて、初めて自分の好きなことや、やってみたいことが見つかることの方が多いかもしれません。 「他の人に話しかけることや、目立つことを避けていてはダメだと思います」 Q:就活の時にこれだけはやっておいた方がいいというアドバイスはありますか? 佐々木一夫先生 独立するためには、他の人に話しかけることや、目立つことを避けていてはダメだと思います。 誰にでも話しかけられるようにならないといけませんし、どんな相手でも堂々と話せるようになる必要があります。自分の顔や名前を積極的に出すことにも抵抗がない方がいいです。 実際、僕もネットで顔を大々的に出しているんですが、全く気にしていません。目立つこと、喋ることを厭わないために、 就活生の時から行動しておいてほしいなと思います。 僕自身、根っからの目立ちたがり屋ではないんです。でも、独立するためには「これをやらなきゃいけない」という覚悟を持って、やり続けてきた結果、今の自分があると思っています。 最初から人前で話せる人なんていないですから、そういう意味では、常に意識して努力を続けることが大切だと思います。 他には法律以外の本をたくさん読むといいと思っています。 たとえば、私は修習中から「日本一を取った営業マンが書いた営業の極意 本」とか、「コンサル1年目で学ぶことが書いた本」みたいなビジネス本をよく読みました。こういった本は司法試験で学んできた内容とは全然異なる分野ですが、実際に仕事をする上で、事務所経営にも事件処理にも必要な知識がたくさん詰まっていて、とても役立ちました。
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